2023年4月、労働基準法の改正により、給与の支払いは従来、現金のみであったところが、デジタルマネーも受け取ることができるようになりました。具体的には、PayPayや楽天Payなどの資金移動業者（決済サービス）が、給与の受け取り口座として厚生労働大臣の認定を申請することが可能になったのです。ただし、デジタルマネーを用いた振り込みは、企業が労使協定を結び、本人が同意した場合に限られます。
これにより、従業員は銀行への振り込みだけでなく、直接PayPayや楽天Payなどのデジタルマネーとして給与を受け取ることができるようになりました。この法改正には、日本政府が日本のキャッシュレス化を促進し、海外と同様のレベルにまで普及させる意図もあります。また、給与振り込みの多様化を望む人々の声も、今回の法改正の背後にある理由の一つとなっています。公正取引委員会が2020年に発表した報告書によれば、利用中の決済サービスに給与の一部を振り込むことができれば、約4割の人々が検討したいと答えています。
デジタルマネーによる給与振り込みが可能になることで、キャッシュレス決済の利便性が向上し、普及が進むことも期待されています。また、銀行口座を持たない外国人労働者やアルバイトにとっても利益があります。特に外国人労働者は、デジタルマネーを使用することで、高額な送金手数料を支払う必要がなくなります。また、企業側にとっても、銀行の振り込み手数料を削減できるメリットがあります。
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